茶道具の用と美10

三田 ですけども、代々というのはすごい力があるんものだなぁと思って感心いたしました。
中村 生まれたときからその中で暮らしていますと、どういうふうにして物ができていくかということを幼な心にも何か受けとめているんでしょうかしらね。
みんなが家業に向かって、向かわないられんような気分になるんですね。(略)

この対談は先代の宗哲。

ご当代は
http://d.hatena.ne.jp/plusminusx3/20120703
おしゃれして上絵付けする人だからなぁ。まぁ家業に向かってはいるんだろうけど。真摯でひたむきって感じではなかったなぁ。

三田 展覧会で拝見するときは棗が多うございますね。
(略)
中村 床框までつくりますから。
三田 そうでございますか。
中村 溜塗や叩塗の床框とかね。
三田 中村宗哲の懐石道具なんていったらもったいなくて。
松井 もったいなくて使えんぐらいですね。
中村 昔は本当によくお椀を作っていましたけど、やはりこのごろは皆さんが大体、棗とか、そういうものをおっしゃいますね。それはお気持ちはわかるんですけど。
松井 結局、茶事が少ないのです。茶会が多いから、そうするとお椀類は二の次になる。

宗哲のお椀か…汁張るのもったいないなぁ。にしても松井業躰すらそう思うのか…。
実用に供せない値段の現代物っていかがなもんだろうか…。