裱褙・幢褙・輪褙

淡交社の茶道辞典の表具の項にこうある。

表具
(中略)
掛物の表装は次第に発達多様化し、裱褙(真)・幢褙(行)・輪褙(草)の三種に分類される。
裱褙は本尊表具などと称され(中略)
幢褙は座敷表具・大和表具などと称され(中略)
輪褙は茶掛表具とも称される。

これが全然よくわかんないんだよね。
真・行・草という言葉があるんだから、裱褙・幢褙・輪褙なんていらないじゃん。

裱褙・幢褙・輪褙を個別に見ると:

裱褙 ひようほえ
表具の古称。→表具ひようぐ

この部分論理的に破綻していて、真の表装の定義になっていない。

幢褙 どうほえ
表具の一形式。幢褙・堂褙・道補絵などとも書く。
座敷表具として使われる。
裱褙(一文字回し)が真の表具形式であるのに対し、幢褙は行の表具形式で、一文字を本紙の上下につけたもの

これは上下の一文字の幅が本紙と同じもの、すなわち行の行を指す、と思えばいいのだろうか?

輪褙 りんほえ
表具の一形式。輪補絵・輪補衣などとも書き、「りんほ」「りんぽ」とも称する。
草の形式に当たるもので、さらに行・草に分けられ、草は一文字を略し中廻しの柱を細くしたものである。俗に茶掛表具とも称される。

草の表装は、行の表装の柱が細いもので、草の行は一文字があるもの。草の草は一文字がないもの。

これをまとめると

裱褙=表装全般
幢褙=行の行
輪褙=草の行、草の草

ということになる。

真行草というのと裱褙・幢褙・輪褙は、どうも整合性がよくない概念の様な…。