京都美術大観 茶室3 6.醍醐侯別邸鎖ノ間
寛永年間、金森宗和により作られた四畳代目席。
西鴨川上、と書いてあるが、付属の地図を見る限り、現在の西賀茂川上町というより、西賀茂下庄田町あたりの様に読める。
どちらにせよ、現在この茶席がどうなっているか判らない。
現存していて個人所有の為公開されていないだけ、という可能性もある。
外觀は百姓屋風の建物であるのを、内部では、玄関、入側、座敷、茶室、控間、物置など實に巧妙を極めた分割を行ひ、建具を取れば全部の大座敷が出來る。
約四十五畳の平屋をうまく障子や襖で区切り、茶席に仕立てたもの。
全體建物が百姓屋を公卿殿上人にも心よく住み得る樣に作りし點と、かゝる全體の建物の其の
中に如何樣にして圍ひを作るべきやとの試問に對して、最も適當なる解答を輿へられてゐるが如き點である。
広間を区切って狭い空間を作る「囲い」。
これを建物レベルで実現した、というわけ。
これ現存するなら見てみたいなー。現代の小間にない発想だもん。