茶室の話21 茶室平面の書き方
茶室の平面を書き現わすのに
(1)方位を主として,北を上に書く方法.
(2)客がにじり口から茶室に入り,床のまを拝見する順に従って,床のまを上に(にじり口を下に)して書く方法.
(3)亭主が茶道口から入って点茶する順に従って、茶道口を左下(点前畳を左に)して書く方法.の3つの書き方がある.
茶室の研究書には,これらが無意味に混同されて,その場で都合のよいように,思いのままに書かれたものが多い.
筆者は茶室平面を分類整理する場合は,(3)の方法を用い,点前畳を左にとり,亭主は左下の茶道口から入って,前向きの姿勢で点茶するように書くことを提唱する.
同じ間取りでも向きを変えたら違う間取りに見えてしまうかもしれない、というのをどうやって排除するか、という話である。
この発想は無かった。
(1)の方法は、絶対座標系だが、茶室の向きが一定である保証はない。
茶室の間取りを比較するには不向きである。しかし、茶室の照明を研究する上ではこの上なく重要な方法でも有る。
(2)の方法は、有効ではない。にじり口と貴人口が別方向についている場合どうするか、そして床がいろんな方向についていることをどうするかなど一意性に乏しい。
(3)の方法は、亭主が必ずいる以上有効だろう。
「逆勝手の席」はそもそも少ないことを力説してきた筆者ならではの記法だと思う。
例外的なものは不審庵の戻り点前ぐらいではなかろうか。
昨日も使った図だが
不審庵のみ茶道口が左上になるが、見事に比較できている、と思う。