けいこと日本人11

よく、「礼儀など封建的な遺物だ」と言う人があります。しかし、これは大変な間違いです。
(略)
稽古・教育の場において、この礼儀が師弟間のポテンシャルを高め、芸を素直に伝達させる大きな原動力となるのです。

私は自分のお茶の先生に対し、最低限の礼をわきまえないという人を見たことはありません。
多分に年をくってから入門している人が多い為だと思います。

今の20代だと全然礼儀をわきまえてないのが居たりしますので、その辺が入って来たら違うかも知れません。

敬語の使い方がデタラメで、敬意があるのにタメ口になってたりしますので、教育は大事だな、とほんと思います。

われわれも人間ですから、時には頭にくることもある。しかし、弟子が芸ができないからと腹が立つことはありません。(略)
腹が立つ弟子と言うのは、出来ないというより、その出来なさ加減のわからない人、前回わかっていたのに、まるで始めて注意されたような顔をする人、少なくとも出来ないことを「申訳ない」という意志表示をしない人に腹が立つのです。

つまり先生は出来の悪い生徒に腹が立つと言うわけです。

本来出来の悪い生徒は、なかなか卒業しない良いお客さんの筈なんですけどねぇ。
自分の教育効果が低いという事実を突き付けられるから?

先生と円満に付き合おうと思ったら、まず礼を尽し、誠意を示すことで、これでわかってくれない先生とは、こちらからさよならするよりしようがありません。

礼を尽くしても腹を立て続ける先生はそれでも不適切ってことかな。そりゃまぁそうか。

礼が下から上への潤滑油だとしたら、それに応えないんじゃ潤滑油の意味がないもんね。