蒸らさぬご飯

一文字飯は、ご飯を蒸れぬうちに一文字によそって出すもの、らしい。

これは「お客様の為に炊いたご飯が炊きあがりましたんで取り急ぎどうぞ」という意味だという。


客の席入りにタイミングを合わせて炊かないと「蒸れないうち」にならないから難しそう。そういえばうちの流派の先輩も、タイミングが難しいと言っていた。


でも、その難易度はともかく、蒸れていない飯ってうまいのか?


うまくないなら出すべきではないのではないか?うまいなら続いて飯器に出す飯も蒸れない様にタイミング計って炊いた別の飯出すべきではないか?

また、完成してないうちにお客様に出すのがもてなしなのか?

お客様の為に煮物を炊いていますが炊き上がる前にまず一口。
お客様の為に焼物を焼いていますが焼き上がる前にまず一口。
お客様の為に抹茶に湯を注ぎましたが練る前にまず一口。

…とかやらんよね。

これらをやらんのは、多分、簡単すぎるから。


実を言うと昔の茶事に関し、炊きたて一文字飯があったかどうかの確証がもてていない。いま解読している江戸の茶書読んでいると。茶道便蒙鈔読んでもそんな感じだしな。


誰かチャレンジャーな人が居て、タイミング合わせてご飯を炊くもてなしをしたらバカウケ、大流行。いつの間にかデファクトスタンダードになったって事なんではないだろうか?