茶の湯志ほり その2 露地入
迎え付けに関し、以前まとめた。
http://d.hatena.ne.jp/plusminusx3/20100928
では、茶の湯志ほりに見る迎え付けのやりかた。
亭主立出で、路次口より御通り下されたしと案内あらば、客は答禮して之れより茶席に通るなり。
注目点その1。
亭主が「お通りください」とか言っている。黙礼ではないのである。
亭主迎に來りし時は、上客一人のみ出迎へ、次客以下は其儘跪き居るが好し、誰も/\出でゝ挨拶するは、騒々しく却て惡しきものなり。
注目点その2。
正客のみが出てきて答礼する。
答礼って事、挨拶が騒々しいって事は、これもまた、黙礼ではないのであろう。
次客からは「跪いている」と書いてあるが、多分これは主客共にしゃがんで礼、という方法ではなく、待合に座ったまま、という意味だと思う。
なぜなら客は待合に戻ってしまうからである。
客は亭主の案内受けてより、待合にて凡煙艸一服ばかりも喫み、大概亭主茶席の内にて、万一仕落しの事ありても、夫を直す程もあると思ふ頃、上客より相客へ申合せ、路次入すべし。
細やかな配慮である。
茶の湯の迎えの時は主客黙礼、というのは流派共通の基本だと思っていたので、これは結構意外だったですよ。
緊迫感はなくなりそうだけど、この方が和気藹藹とはしそうだなぁ。