新選茶の湯読本6 六歌仙花月式

六種類の花月式を、連續して行うので、裏千家十三代円能齋宗室が、明治四十三年十一月、東京に於て撰定して行うたのが最初で、左の様な記録が残っている。
六歌仙花月
  人のこころの花にそありける   花付
  ふくからに           薄茶
  かかみ山いさ立よりて見てゆかん 炭付
  世を宇治山と人はいふなり    濃茶付
  蓮華のにこりにしまぬ心もて   香付
  おほかたは月をもめてし是そこの 貴人付薄

花月式を、趣向を替えて連続して行う、というのがあったらしい。最初は6連続だったが、のちには36とか50とか、とんでもない数連続していたらしい。

三十六歌仙花月、即ち三十六種の花月式を連續して行うに、どの位の時間がかかるかというと、裏千家名譽教授だった故金沢宗為が行った記録では、午前八時四十分に始めて、午後十時二十二分に終っているから、約十四時間かかった事になる。

裏千家は、いったい何と戦っていたのだろうか?ギネスブックへの挑戦?