茶道爐邊夜話

島田貞夫/鈴木書店/1937年。

戦前に書かれた茶道エッセー。

序にこうある。

日本文化再認識と共に、有識階級に茶道の價値が認められるに従つて、これに關する書物が次々と發刊されるのは、斯道の為めに洵に喜ばしい事である。
この際、茶道に關係して生計を立てゝ居ない、自由に意見の發表の出來る立場にある者の書物の一冊位あることは敢て邪魔にもならないと思ひ、折に觸れて書き留めて置いたのを集めたのが本書である。

著者の島田貞夫についてはよくわからない。本書にもヒントは無い。本当に市井の一茶人だったのかもしれない。

時期的には茶道全集という豪華でエポックメーキングな本が出た直後。
とすればこの本はそれに対する市井の茶人からの回答、とも言える。この視点でどうだったか含めて読んでいきたい。