利休道歌に学ぶ2 強弱

強弱系三首。

点前には弱みをすててただ強くされど風俗いやしきを去れ

この道歌は点前の心を教えていると思います。
実際に線の弱い姿ばかり点前でみせられると、招かれているほうも張りがありません。
こんどは武骨になって、角が出てしまい、お点前がぞんざになって、いわゆる客をもてなす心にはならないということです。
(略)

点前には強みばかりを思ふなよ強きは弱く軽く重かれ

いいかげんではない、よいかげんが難しいということだと思います。
(略)

何にても道具扱ふたびごとに取る手は軽く置く手重かれ

これも同じようなことで、扱う心の問題だと思います。
いま申しましたように、自分の指先を目で追うようにすれば、自然とスーッと取ってこれます。
(略)

三首とも、業躰は心の問題の様に書いてますが、私にはテクニックの話に読めます。

1番目のびしっと点前しろ/でも格好悪いのは駄目だ、という話だと思います。

2番目のはメリハリ付けろ、というお話ですね。

3番目のは「重々しく取るな、点前が遅くなるから。でも置く時はそっと置け、大事な道具だから」という事でしょう。

技術の話を心の問題に置き換えすぎると、百首に利便性がなくなってしまうので要注意だと思います。