利休道歌に学ぶ37 おもてなし

水と湯と茶巾茶筅に箸楊枝柄杓と心あたらしきよし
(略)

茶はさびて心はあつくもてなせよ道具はいつも有合にせよ
(略)

特に異論はない。


ただし前の句。

心はまぁどうでもよかろう(よくないけど)。

消耗品の道具達が新しいのがいい、という事は、消耗品あるいは使い捨てとされている道具も、実際には大事に再利用されていた、という事がわかる。
だからこそ「客が来た時くらい新しくせぇよ」という注意が為されるってわけ。


問題は「湯」。

こいつまで新しいのがいい、という事は、利休百首の出た頃には「常釜してこそ茶人」という利休や宗旦の頃の美風は失われていた事がわかる。

倹約令がたびたび出された江戸時代。
燃料費のかさむ常釜を推奨するのは現実的ではなかったのかもね。