茶式湖月抄10 規矩

茶式湖月抄は全五巻。二巻からは道具などの図解。

なんで二巻から図鑑になるかが冒頭に書かれている。

大旨

湖月集すでに世に行はれ。
數奇者諍ふて繙き専珍重すと聞く。

茶式湖月抄の前に茶式湖月集と言うのがあったのだろうか?
それとも茶式湖月抄の一巻がそれなのだろうか?
ここでいう「湖月集」が何なのか知りたいところ。

しかれども大なる茶道の本意わずか*1なる小冊に盡すことを得べかん乎。
故に今編次したく。
先哲の規矩を定められたる。器具を縮模し尺寸を細記す。

小冊子で書けない茶道の本意、というのが道具のサイズだったりデザインだったりする、という発想がある意味尋常ではない。
この時代茶の湯は心とかおもてなしとかそういう物ではなかった可能性が…。

遮幾*2は數奇者謾*3るを莫くたるべし。
古人の意味を敬承し。自から其深長へと至りたまはん事を

んでもって、こういう規矩の話が数寄者からそっぽむかれる可能性を心配しているのがまた、なんだかなー。

*1:糸+免

*2:コヒネガワクハ

*3:アナドル