茶筌博物誌5 茶筌の種類
本書には、各流派の茶筅に関する解説が載っている。
普段見聞きしないことなのでいろいろ面白い。
宗守流
(略)
次男の宗守(宗守流)は高松藩に仕え、後に官を辞して官休庵を名乗り、武者小路に住居したことから武者小路千家とも呼ばれている。
利休形の紫竹を用いたが、未熟で祖々父の利休に到底およばないということから、同じ白竹を用いず紫竹同形を用い、利休の使いふるしを用いる心を表した。
三斉流
利休の門下の三斉(細川忠興)は、利休と同型の茶筌を使ったが、竹材は使いふるしの感じの紫竹である(もちろん紫竹といえども新しい竹なのであるが、感じがいかにも使い古しの竹──これが茶の心とでもいうのであろうか)。
つまり宗守流と同竹同型であるが、大名であるところの三斉は八十本以上の穂を用いた。八十本以上は位の高い者の使用とされていた。
八十本点て以上は、下手でも点つから偉い人用なんだとか。
表千家七十二本
表千家の茶筌は、煤竹を使う。数穂の七十二本が真とされている。
ぴんとまっすぐ伸びた形の利休の茶筌を使いふるして、先がまるまって成った形だとされている。
先がくるんとなっている現代の茶筅は、表千家/裏千家が採用したので主流になったのだと聞く。
でも使い古しても先は丸まんねーよなぁ…。むしろ伸びる。竹だもの。