茶道規範72 要録 花入

後ノ座入先ヅ花入ニ心付ベシ
利休ヨリ以來古匠ノ作竹ノ花入多シ
故ニ第一花入ヲ可見
(略)

席入したら花入を注目しろ。

花ではなく、花入である事に注目。
利休死後100年の間に、茶人の花入ビジネスが成立していたことに注意。

次ニ花ノ入タルト不入トヲ可見知
尤不入花ヲ不譽ニハ非ズ
次ニ花ノ早咲ヲ可賞是レ法也
多クハ先ヅ花ノ色アル事ヲ感メ花ノ入タル事ヲ不言是レ大ニ誤レリ
(略)

「花入に水ばかり入れる事」が割りとあったのかもしれない。
早咲…花の季節感先取りは褒めるべきポイントであり、花の色は重要ではない。

花ヲ可入事ヲ遇所望之事炭所望ニ遇事ト同然タリ
花入賞玩ナラバ花ヲ幽ニ可入或ハ古匠ノ作或ハ師家ノ作是也
自作カ又他作ト云共我方ヨリ遣シタル花入ハ自作ニ同スベシ
(略)

花所望は炭所望同様ありがち。
有名人の花入なら花はちょっとにしろ。
あげた花入は自作と同じと考えろ(若干イミフ)

釣船ノ花入ニ出舟入舟ト云フ末説有不用
花入ノ面ヲ表ニスベシ
(略)

釣舟の出舟入舟は他流の考え。

利休百首には出舟入舟があるので、表千家系にも後に取り入れられた、ということだろうか?

なお

客トメ花ヲ入ル事尊貴師家ノ業也大抵巧者ノ分ニテハ固辭スベシ

「少々のベテランじゃ無理。やめとけ」というのは大変実際的なアドバイスである。