南方録6

○小座敷の花ハかならず一色を一枝か二枝かろくいけたるがよし、
勿論花によりてふわ/\といけたるもよけれど、本意は景氣をのミ好む心いや也、
四疊半にも成てハ、花により二色もゆるすべしとそ、

茶の湯の花は一色、というのは当時でも当然の感覚だったと思われる。
しかし、四畳半以上と以下で分けたりする格差意識は南方録独特かもしれない。

○花生にいけぬ花、狂哥に、
花入に入さる花ハちんちゃうけ
太山しきミにけいとうの花
女郎花さくろかうほね金錢花
せんれい花をも嫌也けり

この部分、下手な狂歌なのがすごい利休っぽくて好き。

和泉草が

不用花、鳳仙花、柘榴、桜、但シ糸桜ハ少シ用モスルト利休云シ也

とか無愛想に書いているのに比べ、楽しい。

ところでキンセンカって、江戸時代に日本に入って来た外来種らしいですよ。