2010-02-01から1ヶ月間の記事一覧

古文書の読み方5 辞書と言い回し

最後に。古文書を読んでいて結構詰まった文字を紹介する。これは“杯"という漢字である。 最初訳していた部分が懐石の酒の部分だったので「盃杯」とか書いてあったのを「さかずきハイ?なんじゃそれ」と思っていたのだが、この“杯"はナドと読む。現代でなら“…

「なのはな」

「うめがえ」

古文書の読み方4 解読

では実際に読んでみよう。私のやり方は、コピーした古文書に、消えるボールペンのグリーンで「判った字」を書き、ピンクで「怪しい字」を書いていく。1. まず辞書無しで最初から読む。 2. 「判った字」をとりあえずグリーンのペンで記入 3. 「怪しい字」をバ…

「かんざくら」

古文書の読み方3 勉強

資料があって、辞書と筆記具が揃った。だけど、いきなり資料を訳しはじめてはいけない。多分無理。まず昔の茶書、それもくずし字でない物を何冊か読んで、文体を勉強した方がいいと思う。茶道全集12巻収録の茶道便蒙鈔とかお勧め。 古文書の入門書って、あん…

「はつざくら」

古文書の読み方2 準備

古文書を読むのにどー考えても必要なのは辞書。無きゃ絶対読めねぇって。辞書は字形を中心にしたものしか役に立たない。字形というのは筆の最初の一画がどう入るか、で分類するもの。「草冠の漢字」「しんにょうの漢字」みたいな分類の辞書は全然役にたたな…

「かじかみ」

古文書の読み方1 資料の選択

古文書が読める様になるには、実際に古文書を読んで学ばねばならない。読む対象を選ぶ時は、以下の事に気をつける事。 茶書である事。 有る程度分量が有る事。 ちゃんとくずされた字である事。 茶書でないと、内容が類推できない。茶書でも固有名詞は難しい…

「さむぞら」

古文書の読み方

古文書を読みはじめて半年あまり。いつのまにか、ある程度くずし字の文が読める様になった。どういうレベルか、というと:「茶書を読んで、辞書無しで7割内容を理解できる。辞書が有れば9割翻刻可能」というレベル。つーことで、なんかうれしかったのでこれ…

「ゆきざらし」

掛け流し

田中仙樵「茶道講義録 第一篇」より: 茶筌は掛け流し物と云つて、客毎に新らしい茶筌を使用せねばなりません。 之れも掛け流し物でありますから、決して古い色の附いた様な茶巾を使用してはなりません。 茶道具において、茶筅と茶巾は使い捨て、という事に…

「はがんいっしょう」

侘び茶と引切

茶杓を作る、というのは茶人としての私の意識の中に、確かにある。…でも、竹の引切蓋置を作る、というのはないなぁ。同じ竹細工なのに。ただ竹の節付近を切断して穴をうがつだけなんだから、茶杓なんぞよりよっぽど簡単なんだが。 竹引切が茶境を示すとか示…

「まふゆ」

侘び茶と茶杓

私はいまんところ、自分に、多少なりとも感心してもらえる道具、が手に入るとは考えていない。数寄とは数を寄せる事、という概念を正とするならこれはひどく残念な事だ。でもまぁ仕方ないヨネ。そんな中で、侘び茶らしく差別化できるものって茶杓くらいしか…

「ふくハうち」

雪見の茶

はらはらと雪が降ってゐる。せっかくだから雪見の茶としゃれこもう。 …とか思っていたら、TVから「この雪は1時間以内に止むでしょう」と非情な通告。急遽予定を変更し、点て出し作って二階のベランダから雪見の茶。うちは炭に切り替えた事もあってお茶の準備…

「そりすべり」

私は洋服を着てのお点前には慣れている。でも着物を着てお点前はまだ10回もやった事が無い。 点前の実用上は袂のある無しの影響の方が大きい。袂には、帛紗を入れたり、出帛紗を入れたり、懐紙を入れたり、茶巾を入れたり、場合によっては仕覆を懐中したりも…

「みぞれ」…ボタボタ〜と降る雪は雪見の茶って風情じゃないな。

サントリー美術館 おもてなしの美

感想は「展示替リストが読みづらい」。…いや、駄目だ、そんなの。 変な時期に始めるな、と思ったら旧正月記念展示らしい。いろんなおもてなしに使う道具、おもてなしの様子を示す屏風や絵巻が展示されている。 まずはいろんな根来がお出迎え。これらがなんか…

「ざんせつ」

畠山記念館 懐石のうつわ 向付と鉢を中心に

感想は「なんかすいてた」…いや、駄目だ、そんなの。 いつもはさりげなく日野肩衝クラスがさらっと置いてあったりするんだけど、今回は全く名物無し。でも、面白かったのよ。行かないのは損よ。 こういう展示では名物をありがたく拝見するのではなく、「この…