2009-09-01から1ヶ月間の記事一覧

「つきくさ」

茶道2

竹内撫石庵の“茶道”。かなりの大作で、含蓄も多い。 茶人は掃除をすることが生命である。 和敬清寂の清寂は掃除を意味する。 朝から晩まで掃除をするのが茶人の趣味である。 掃除をするのが趣味であるなれば、これを他人や家族のものにさせて置くべきもので…

「かかし」

茶道

竹内撫石庵/健文社/1934年。まず序文。 眞に茶道の根本精神に徹して居れば、茶禪一味などを唱へる必要もなければ、形式論や道具茶を眞面目になつて攻撃することもない。たゞあるがまゝでよい。 ごもっともといえばごもっともだ。「元始茶道に還れ」 茶によつ…

「あきさめ」

茶と茶道

清水秀雄/人文閣/1946年。終戦直後に出版されたお茶の歴史とか書いたエッセー。 前書きは昭和十八年になっているけど。ま、それほど大した内容ではないんだけれど、いくつか面白かった点を。 「茶の種類」の項目で、茶を緑茶、晩茶(番茶)、紅茶、磚茶に分け…

「あきつ」

初昔

初昔、というお茶銘がある。上林春松はこう説明している。http://www.shunsho.co.jp/2008/03/matucya02.php 「初昔」「後昔」は当時の茶師全てが筆頭のお茶の銘としていた由緒ある御茶銘です。 上林春松がどれほど由緒正しいかはよくわかんねーけど。 初昔は…

「てんたかく」

茶杓買うのか作るのか

お稽古場では、お稽古場に置いてある茶杓を使う。毎回、お稽古で茶杓の銘を付けているので、もし茶杓に今まで付けた茶杓の銘が書き込まれていたら稽古場の茶杓って字がびっしりで真っ黒になってしまうものだろうなと思う。でも、お茶事ではどうなんだろう?…

「ちょうよう」菊のシーズンじゃないので難しい。

三つの異つた問題

小林一三の“雅俗三昧”。「三つの異つた問題」で読者からの意見紹介、という形で以下のような意見を開陳している。 逸翁は抹茶は誰れでも喜んで飲むうまいものだと思つてゐるやうだが、私はさうは思はない。 おいしいお菓子があるから一碗飲んでもよい、とい…

「のわけ」

掛軸の横物

茶道具としての掛軸は縦に一行、禅語かなんかが書いてあるいわゆる「一行物」が主流だ。それに対し、横向きに字が書いてある掛軸は横物という。 おそらく一番有名な横物といえば「懈怠比丘不期明日」ではなかろうか。 横物は“侘び”というよりも“堂々たる”と…

「かぜのおと」

火相と湯相

南方録というと「曲尺割」がいつも話題になる。この理由は判る。なんか理論的だし、図とか出すとかっちょいいし、道具を置く美意識について語る、というのもなんか高尚な感じがするしね。 でも、火相とか湯相の方が話題に昇る事は少ないように思う。 どう炭…

「もちづきの」

曲尺割

南方録(だけ)の提唱する謎テク「曲尺割」。 私の理解では、道具の置き合わせのテクニックである。 多くの流派では、道具の配置位置を「畳の縁から数えて何目」という形式でカウントしていると思う。この方式の欠点は、畳の大きさや、畳一目の大きさが不定の…

「すずむし」

井口海仙著作選集 第一巻

井口海仙/淡交社/1992年。タイトル通りの本。裏千家の歴代: 宗旦の父は、「茶人系譜」や多くの茶書に、利休の後妻宗恩の子となっているが、私は利休の実子道安の子であると思う。 しかし遺憾ながら、それを立証する資料が、ほとんどのこっておらず、わずかに…

「ささくれ」

最近、なんでか爪が割れるんだよね〜。突然、左手中指の爪のはしっこがピシッっと縦に割れちゃう。そのままにはできないから深爪気味に切り落とすんだけど、伸びて来るとまた突然ピシッと来る。その繰り返し。困ったなぁ。 …そろそろ判るよね。お稽古場での…

「つるべおとし」

新修 茶道妙境 愈好斎の世界

千宗守(愈好斎)/創元社/1979年。昭和十五年発行の茶道妙境の再録+α。 茶道妙境の部分はまーいいや。その+αとしてついている有隣斎の語る話の方がずーーっと興味深い。 有隣斎は昭和十三年に大学院に入る時に、指導教官にお茶を勧められたらしい。 ちょうど…

「はだざむ」

楽の保温力

楽焼の茶碗は温かく、保温力が有る。なんていう。 …本当かどうか実証せんといかんよな。 使った茶碗は同じ12センチクラスで形も似た楽と志野。楽は乾燥重量275g。 志野は乾燥重量346g。志野の方がやっぱり重い。 柄杓1杓の熱湯を注ぐ。 その後30秒単位で5分…

「たいふういっか」

男子の茶の湯ことはじめ

堀内議司男/原書房/2004年。壷中庵さんの書く自叙伝…なのかな?若干エッセイと自叙伝がゴチャマゼで中途半端な感はあるが、そこそこイケる。この人の自己紹介は 昭和63年より遠州茶道宗家12世小堀宗慶宗匠のもと秘書を務め、茶道の修行をする。平成10年に壷…

「ひさめ」

刀掛

江戸時代。サムライの時代の茶室に付属する設備として「刀掛」というものがある。サムライ達は、茶室の狭いにじりをくぐる前に、刀掛に大小腰の物を置いてから茶室に入る。んでもって、茶室の中では刀のない、つまり身分の無い世界が広がっている。そう思っ…