道具

大名時計

大名時計、と呼ばれる機械がある。江戸時代、大名達がステータスとして買い求めた高価な機械達。ま、現代でも1000万を超える超複雑系時計ってのは売っているわけだから、時代が変わっても人間やることが変わっていない気がする。 さて、大名時計ってステータ…

平和島・全国古民具骨董祭り

年5回もやっている大規模骨董市。 せっかく骨董市に行ったのに、リサイクルショップ的な店ばっかりじゃつまらない。でも、超高価な店ばっかでなんも買うものがないのもまた悲しい。 平和島・全国古民具骨董祭りは、そのバランスが非常にいい感じの骨董市で…

ザ・美術骨董ショー

2年ぶりの美術骨董ショー。今回は見どころいまいち少なかった様な気がする。もともとややお高い感じのお店が多いのだが、値段の高さに相応しない内容だったんじゃねーかなーってっ感じがする。 気になったのはひとつだけ。楽山焼の刷毛目の鉢。鈍翁の箱書き…

関守石

大寄せで、お客さまの行列ができる時がある。 行列ができること自体申し訳ないが、しかしこちらとしては列を整理し、入ってはいけないところは止め、一列なり二列なりに整列をお願いしなければならない。 しかしながら、お客さまはそう簡単に言うことを聞い…

回転式茶漉し

しもきた茶苑大山さんの回転式茶漉し。 http://www.setagaya-1.com/ooyama/_pc/index.php?f=detail_goods&goods=2614 …。 紅茶マニアとしては慣れ親しんだ商品だけれど、これで抹茶を漉せと? 抹茶茶碗にこれ引っかけて直接ゴシゴシしたら、茶碗の縁が欠けそ…

大炉の逆勝手

シーズンも終わってからこういう話題もどうかと思うのだが、今日は大炉の話。 裏千家限定のお点前、大炉。 では大炉はなぜ、逆勝手なのだろうか? まず大前提として、大炉を切れる人と言うのは、以下の条件がある。 大炉の切れる茶室を持っている。 当り前の…

塗りの椀

椀を買って思ったのだが、塗り物は高価なものと廉価なものの区別がつきにくい。 木地の質一つとっても、木地師がちゃんと一つ一つ挽いた挽き物のものと、木の粉を型抜きした木乾のものでえらく値段が違うのだが、見た目にはそんなに違わない。 蒔絵とかあれ…

100均じゃない椀

昔、四つ椀に困って100均のを置いてみて「駄目だこりゃ」になった。http://d.hatena.ne.jp/plusminusx3/20110727 http://d.hatena.ne.jp/plusminusx3/20110728はちろえもんさんのアドバイスに従い、合羽橋で購入。ん、これならしっくりくる。せっかくなので…

柄杓の角度

柄杓の柄が壊れたので、新しいのを買った。お茶を点てていて、合がぽろりと行くのだわ、なんて事になったら困るやん。で、前に買った店とは別の店で柄杓を買ったのさ。 ?そこはかとない違和感? つーことで、前の柄杓と次の柄杓、写真に撮って重ねてみた。…

柄杓の合

柄杓から水がポタポタ漏れ、畳を濡らす時。柄杓の合が、ゆるんでいるのかもしれない。きっちりと柄を差し込んでいない時、柄と合の隙間から水が漏れるのだ。 そういう時は、布巾で合を包んで、ぐっと力を入れて柄を入れ直すとよい。 こんな感じで。パキ。そ…

茶碗を育てる

昔買って、あまり使ってあげてなかった唐津を「育て」はじめた。単に毎日使っているだけだけど。 でも、なんか「育たない」なぁ。 釉薬がほぼ全面に掛かっているので、あまり変化とかしなそうな気がする。 …。 茶碗を育てるって、何だろう?茶渋を付ける事?…

現存茶室

現存茶室をリストアップしてみた。条件は江戸時代中期以前の建築であって明治以降の再建でなく、ある程度遺構が残っているもの。そしてそれなりに見所のありそうなもの。あと京都以外。京都は多過ぎるし。 都道府県 茶室名 作者 現所在 移築元 見学 北海道 …

槐記の置き合わせ

昨日の記事、読み直すと判りにくかったので図解。 南方録の曲尺割。畳を五分割して中心を一定位置に(1/3ずらしとかあるのでやや曖昧だが)。 道具が小さくなってもそれなりにバランスは取れる。 次に畳の目で距離を計る方法。特に両端からの距離。簡単に決め…

のし袋

年の初め。先生の所に御年賀持って行かねばならぬ。いつもの「御礼」よりはフォーマルなので、ちゃんとした蝶結びの熨斗袋に入れて行こうと思う。 とりあえずハンズへ。 …。まともでフォーマルな熨斗袋の選択肢が少ないこと少ないこと。文房具売場に売ってい…

一文字と上下

本紙の外を回る布が一文字。 その外が中廻し。 一番後ろの布が上下。呼び名としてはこうなっている。 一文字、という名は、真の行/行の行/草の行の、存在していてしかも四方をめぐらない状態を前提に名付けられている。 一文字が排されたら、名は成立しな…

半幢褙繪

茶道筌蹄にこうある。 幢褙…両脇ノ廣キヲ用ユ.併シ中ノ下ヲ廻シタルヨリ廣キハナシ 輪褙…縁ノ狭キヲ云。四分ヨリ掛物ニ應ジ縦テニ廣クスル 幢褙と輪褙の違いは、やはり柱の太さの違いの様だ。4分というと12mmくらいか。 湯山勇の「表具の話」にこうある。 …

裱褙・幢褙・輪褙

淡交社の茶道辞典の表具の項にこうある。 表具 (中略) 掛物の表装は次第に発達多様化し、裱褙(真)・幢褙(行)・輪褙(草)の三種に分類される。 裱褙は本尊表具などと称され(中略) 幢褙は座敷表具・大和表具などと称され(中略) 輪褙は茶掛表具とも称される。 こ…

表具の真行草×真行草

表具は真行草があって、さらにそれぞれに真行草があって、9種類の格があることになっている。 一文字 中廻し 上下 真の真 四方廻す 四方廻す 四方廻す 真の行 上下のみ 四方廻す 四方廻す 真の草 なし 四方廻す 四方廻す 行の真 四方廻す 四方廻す 上下に分…

燕庵の明るさ

左から待庵二畳、燕庵形式三畳台目、紹鴎四畳半の、窓と照らされる範囲。燕庵が、圧倒的に窓が多くて明るい事が判る。 実はこの図以上に、待庵と紹鴎四畳半は採光に関する考え方が違っていた。 待庵は庇を深くし、紹鴎四畳半も北向きに作られ、どっちかって…

茶道具陰影

暗い部屋の自然光で、黒っぽい伊羅保と、黄色っぽい伊羅保を撮ってみた。本当は黒楽と青磁茶碗とで比較してみたかったが、どっちも所有せんので、伊羅保を代役に。 写真では思ったより明るく写っているが、やはり黒っぽい茶碗は、ディティールがいまいち把握…

ノブ

うちの下駄箱の把手を、左の物から、右のものに交換した。 そう、着物の袖がひっかかりにくい、シンプルなフォルムのものにしたのだ。開閉に若干力が要る様になってしまったが、背に腹はかえらんねー。実は左の把手、すでに私の袴の右の縫目をずたぼろにした…

でんせん

茶巾をくりくり四方捌き。「これは目を正す意味があるんだよな」ってな感じで力強く捌く。 “ビッ!”あれ?茶巾がちょっと長くなったぞ。 伝線かよ! …ちょっと力強すぎたみたい。でもよかったー。水屋で仕込むときでよかったー。 予備の茶巾を持っててよかっ…

煙草盆

私の祖母は、ボケるまでは結構ヘビースモーカーで、煙管を使って煙草を吸っていた。だから私は、子供の頃に煙管を使っている光景を結構見ている筈なんだ。…でも、煙草盆と煙管の使い方が全然判らない。 煙草入れから煙草を取って煙管に詰めて火入にかざして…

古道具屋と茶道具屋

私の中で、骨董屋は二つに分類されている。古道具屋と茶道具屋である。 扱う道具に関し、来歴を大事にし、ちゃんと茶の文脈で道具を置いているのが「茶道具屋」。来歴をあんまり大事にしないで、唐突に道具を置いているのが「古道具屋」。 あ、割とローエン…

四畳半の貴人畳

懐石の出し方で気になっている事その2。四畳半の貴人畳は、本来客に座って頂ける席なのだろうか? 四畳半の道具畳には水指が置かれていて、通行不可である。 四畳半の炉畳は、本来足を踏み入れて良いゾーンではない。 客畳に通いが足を踏み入れる事はできな…

二畳中板の欠点

私は、部屋の大きさ的に二畳中板の部屋しかできないな、と常々思って来た。んで、中板には炉を切りたいな、と思って来た。…でも断念せねばならないかもしれない。 下の図を見て欲しい。二畳中板の部屋に、三人の客が座っていた場合の話である。左のが私が思…

台所

茶室、というものを考えるにおいて、考える要素はそんなに多くない。 小間あるいは広間 くぐり 待合 腰掛 雪隠 飾り雪隠 水屋 だが、この中に、台所が入る事はあまりない。 古書をひもといても、飾り雪隠のセッティングにエラい分量を割いている割りには、台…

扇子

とっても無くしやすい茶扇子。補充の為に購入したら、扇子の面に「利休百首」が印刷されていた。 …これ、何のためにあるのだろう? 利休百首についてお稽古中に聞かれたとき、とっさに開いて読み上げるのだろうか? カンニングIQ=ゼロって感じ?妻の扇子に…

野々田式のモールド

野々田式のヒーターには「表千家」「裏千家」のバージョンが有る。つまり、両千家の炭の置き方を反映したモールドが為されたヒーターとなっている。 他の流派はどうすればいいのか良くわからないが、正直、気にしている人なんているのだろうか? 例えば、表…

一期一会

カルチャーの教室には、何種類かしか掛軸がなく、代わり映えしない。正直、飽きている。 皆が、飽きている。…けれど。 たまたま師匠が不在の時、師範代が軸の読み上げをした。 「掛物はいつもの『一期一会』です」 笑いをこらえるのに必死。顔面過緊張で痙攣…