2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧
「荒南風」
高橋箒庵/秋豊園/1936年。箒庵の書いた茶の湯入門書、であるが、箒庵がお点前の仕方、とかを書くはずが無い。精神の話と道具の話と趣向の話が書いてある本である。 箒庵の近代数寄者らしさ、が色濃く出ていていろいろ面白い。 道具について、例えば茶入の話…
「だいだいむしゃ」
南方録は偽書だという。…ま、ぶっちゃけそうだろうと思う。だから今後、利休の事跡を語る際に、南方録を引用して説明する様な本はどんどん減っていくだろう、と思う。んでも、茶の師匠から弟子に伝承して行く内容から、南方録の内容を排除していく事は難しい…
「からつゆ」
茶道古典全集第三巻収録。寛永3年(1626年)刊行の織部を偲ぶ茶書。例の「織部が有楽斎の客になって〜二人でねそべって茶呑んだ」の初出でも有る。いったい織部を偲びたいのかくさしたいのか? 不詳の作者がいろんな茶書を編集したもの、というのが茶道古典全…
「さつきばれ」
松村栄子/マガジンハウス/2004。武家茶道(+弓道+剣道)流派、坂東巴流の嫡男が家出、京都に逃げ込む。京都の遠い親戚である、大手の町方茶道流派、巴流と絡みながら、巻き起こす様々な騒動。…と言う風に要約する事ができるのかな?小笠原清経家やら宗偏流や…
「先ぶれ」
松村栄子/マガジンハウス/2000年。40の手習いでお茶を始めた作家の体験談。茶人でない人と、インターネットをしない茶人の人には驚きの内容かもしれない。 でもインターネット使う茶人である私には、目新しさはない。私が経験した事、私が経験していない事。…
「むらすずめ」
昔、利休百首に関して「こんなの書いてたなんて言われたら利休が可哀想だ」的な事を書いた事がある。http://d.hatena.ne.jp/plusminusx3/20071230無知ゆえにこんなこと書いちゃったが、その後ちゃんと勉強したので、今はそんなこと思っていない。…そう、利休…
「天の蓋」
天王山は京都と大阪の境にある山だ。この辺、乙訓地域は竹が名産。竹は地下茎で増える。子供の頃はある日家の中にタケノコが生えて来て…とかいう笑えない話を聞いた物だ。 天王山周辺森林整備推進協議会、というのがあるらしい。http://www.pref.kyoto.jp/ky…
「青葉隠れ」
明治の茶人を語る時、旧大名の茶人として欠かせない松浦心月庵。その松浦家に関する展示。 いろんな切口の展示が有るけれど、興味有るのは当然茶人としての側面。 三川内焼尊式花入一対。明らかに大名茶道具。松浦鎮信の好み物、木目美しい糸目棗。 石州流大…
「かわいいコックさん」
「日本の茶家」によると: 宗偏の家祖は、信濃の豪族、高遠の城主仁科次郎盛遠である。 (中略) そこで茶道を以て一家を成そうとて長徳寺を辞して母方の姓山田を名乗った。 要は山田宗偏は本来信濃の仁科氏である、と言っている。 小笠原忠知侯は三州吉田の城…
「雨落ち石」
藪内紹智/日本放送出版協会/1972年。 …いろんなブログを読んでいて、自分の流派の常識で他の流派の人の点前に文句を付ける人の目撃談がけっこうある。自分の教わった事が正しい…とついつい考えてしまうのは、自分の教わった事しか知らないからだろうし、ま…
「くちなし」
茶道古典全集第三巻収録。武野紹鴎がその弟子、池永宗作へ与えた茶の湯マニュアル。結構手順が詳細に書いてある。濃茶を点てる部分に関して抜粋しよう。 サテ柄杓ヲ取,釜ノ蓋ヲ取、湯ヲ汲立、少シ天目ヘ添エテ、箋ヲ取、能シスカニ振、箋ヲハ左ノ手ニ移シ、…
「あこや」
抹茶の味が店によってどう違うのか?…やっぱ同じお金だすならおいしい店にしたいじゃない。って事で、濃茶の賞味できる最低ラインであろう、40gで3000円の抹茶を呑み較べたぜ。 一保堂の"青雲"。まろやかでやわらかい味。 甘みが弱いけど、苦み渋みも弱いの…
「おいのさか」
お稽古での茶杓の銘の参考資料として、以下のものが考えられる。 茶杓の本 茶道の参考書 俳句の歳時記 「茶杓銘々伝」とかの本を参考にすると、名作茶杓の名を流用する事になる。うちの稽古場では、その辺の棗に「塗りは宗哲で…」といったロールプレイはさせ…
「よひらの露」
平成21年2月2日、台東区内の住宅で行われていた茶道教室において、木炭でお湯を沸かしていたところ、7人が一酸化炭素中毒となる事故が発生しました。 東京消防庁では、平成19年1月1日から昨年末までにガス機器の不具合などによる一酸化炭素中毒事故…
「食べる」
「あら、素敵ね」師範代に持参の道具を褒められた。 …ただし茶筅を、だけどな。 濃茶用に中荒穂を使っている。数穂は3000円以上のから1000円切るのまでいろんな値段で売っている。 茶道具屋で大安売りされているのは大抵八十本立と野点用。なんで作りにくそ…