2009-10-01から1ヶ月間の記事一覧
「さほがわ」
有馬頼底/主婦の友社/1985年。以前、立花大亀の"利休に帰れ いま茶の心を問う"を紹介した。http://d.hatena.ne.jp/plusminusx3/20090818そーゆー、老いた禅坊主の渋い話を期待して読んだのだが…頼底さん、えれぇ青い。箱書きとか流派にこだわんなさんなと…
「いなづま」
熊倉功夫/中央公論新社/2009年。既に「南方録を読む」を出版した熊倉さんがなんでこの本を出したかと言うと: まだ研究は途中ですが、ひとまず私なりの現代語訳をまとめることにいたしました。 だそうです。では「南方録を読む」とどのくらい違うか。 覚書は…
「ころもで」
burieさんのコメントに、コメントでお返事しようと思ったが、あんまりにも長くなったので改めて記事として。 まず、鳴り物の聞き方に関し、手持ちの本の幾つかを引用します。"茶の湯作法"、昭和3年、亀山宗月(裏千家) 客方に置きましても、この銅羅を打たれ…
「あからめ」
「ここには根津青山さんのコレクションが所蔵されているんだ。 その価値や莫大。だから、そこここにガードマンがいるだろ?彼らは24時間体制でここを護っているんだ。まさに根津の番。」そんな事を言えるのもやっとこ根津がオープンしたから…なんだけど。 ち…
「よもぎがそま」
そう言えば、茶事の不思議なしぐさ、という意味では、いまいち意味の判らないものがある。中立の腰掛待合で待つ客が、亭主の鳴り物を聞く時に全員で蹲って聞く、というやつである。なんで、腰掛に座っていたのにわざわざあらたまってしゃがんで聞くんだろう…
「よさむ」
茶事の本読んで、茶事には不思議なマナーがあるな、と思った。 飯碗と吸い物碗の二枚の蓋を、両手で同時に取って、二枚の蓋を重ねて脇に置く、という奴である。 普通、椀の蓋は、左手で椀を支え、右手で蓋を取る。同時に二つの椀の蓋を開ける、というのは一…
「ゆうづきよ」
ネットを漁っていて、秋山照子さん、という方の興味深い論文を見付けた。http://ci.nii.ac.jp/naid/110003169005/ここの「CiNii Fulltext PDF」というのをクリックすると、本文がダウンロードできる。 主要茶会記における「菓子」の種類と、その製法の研究で…
「あしのまろや」
最近、思う事。純粋に茶の味として、濃茶より薄茶の方がウマイ気がするのだが、どうだろう?体験としての貴重さ善し悪しは置いといて、よ。 濃茶はくらくらする。薄茶はほっこりする。多くの局面で、ほっこりの方がくらくらに対して嬉しいもの、の様な気がす…
「ながめ」
風月洞書店にて、お茶銘をつらつら書いた昔の小冊子「御茶銘之記」をゲット。 どこの詰なのかとも書いてなく、ただ淡々と茶銘と値段が書いてあるだけ。奥付もないから良く判らんが、通貨単位からして江戸時代なのは間違い無い。多分、幕末かなぁ。 初むかし …
「あきはぎ」
はなこさんから、抹茶は原料、ブレンド具合などが非公開である、というコメントをいただいた。確かに。抹茶は、元となる碾茶の産地、農園が明らかになっていたためしがない。当然、どういう茶をブレンドしたものなのかも全然判らない。 では私の感覚では。少…
「しゅうりん」
佐々木三味/河原書店/初版は1937年。多分、骨董にせもの雑学ノートと同じ本。この本は偽物の鑑定の仕方の本ではない。どういう手口で偽物が広まるかを書いた本である。箱を変え、経緯を偽造し、破損した真物を継ぎ剥ぎし、広まる偽物達。偽物に限らず、イン…
「じょうが」
浅田晃彦/自費出版/1979年。川上不白の伝記。この本、作者の調査に基づいた推測がめちゃめちゃ面白い。 実は武士の川上不白。 彼が若くして表千家に弟子入りした経緯には謎が多い。私は紀州新宮藩士として、藩の支援で茶道を習いに行った、というイメージ(し…
「あきのそら」
中国茶の世界では、茶にハマッた人が、珍しい高価な茶を買い求めるあまり、身上を潰してしまう、ってな話がある。本当に茶がそこまで高価になりうるのか?というのは現実問題良く判らない。でも、ちょっとロマンチックな気もする。だって、本邦の茶道では、…
「ながあめ」
利休の逸話に、天下一の茶事の話が有る。 上林竹庵が、利休と弟子達を客に招いたが緊張で失敗。しかし、利休は天下一と褒めた。帰り道に弟子達がなぜあの下手な点前が天下一なのか?と質問し、その誠意を賞してのこと、とした話。 …この話、どの本が初出かよ…
「ひおうぎ」
大森宗晋“茶の湯・心と形”。比較的マイナーな玉川遠州流大森家。その列伝も入っていた。 初代の大森漸斎について流派に伝わる話。 漸斎は常に寒餅をかこい置き、小豆汁を煮て水餅を投じ口取として用いた、そして生涯これを変えなかった。世人呼びて漸斎餅と…