名物拝見記

出光美術館(門司) 利休と桃山茶陶

利休時代の茶道具を中心にした展示。今回の目玉は古天明菊水釜。 なんだろう?青銅器の様な、中華の香りがほのかにする。宝尽地紋甑口釜。 宝尽しの文様が全体を大きくおおっていて、とてもカワイイ雰囲気。 黒楽茶碗「黒面翁」。小ぶりな長次郎楽茶碗。赤楽…

茶の湯のこころ 利休の世界展

博多織の千年工房さんのところで開催されている表記の展覧会。http://news.1000k.jp/?eid=44利休にちなんだ道具を並べ、博多織りで表現した利休消息柄の出帛紗を販売する、と言う企画。 利休の消息や長次郎茶碗とか蘭引とかいろいろあるんだけど、ものすごい…

根津美術館 中世人の花会と茶会

ここでいう中世人、というのは、室町の初期茶人を指す、みたい。 なのでこの展示、初期茶道っぽい道具が多い。唐物の青磁や胡銅とか。 かなりもやっとしたタイトルだが、その通りもやっとした内容かも。 青磁筒花生 大内筒。掛け花生にする為の穴が空いてい…

畠山記念館 唐物と室町時代の美術

唐物名物と室町の日本美術をいっしょに並べた展示。結果として「室町まだまだっすね」みたいな感じになっているのは致し方ない。しかし堆黒倶利盆と鎌倉彫猩猩香合を比較しちゃうのはちょっと可哀想ではあるまいか? 青磁鳳凰耳花入。…青磁花入ってカッコい…

出光美術館 悠久の美

「唐物茶陶から青銅器まで」という、唐物特集。まずは平沙落雁図がお出迎え。…こういうぼやっとした絵をありがたがって掛けていた時代があったんだなと思うと、少々不思議。 今のお茶だとちょっと使いづらいよね、こういう掛け物。 続けて各種天目茶碗。あん…

松屋銀座 上田宗箇 武将茶人の世界展

松屋銀座の8階会場に足を踏み入れると、上田宗箇所持の担い茶屋がお出迎え。天秤の片方に風炉が、もう片方に金物の茶壷がしつらえられた、茶壷が珍重されていたころの雰囲気の伝わる道具。その横には、派手派手の陣羽織。 いきなり桃山の空気にひきずりこま…

大阪市立東洋陶磁美術館へチャリンコで

大阪市立東洋陶磁美術館「碧緑の華・明代龍泉窯青磁−大窯楓洞岩窯址発掘成果展」。発掘ものなので、ぶっちゃけできそこないの青磁をいろいろ見ることになる。 でも、できそこないだけに様々な表情を見せてくれていて、結構楽しめる。官窯と民窯の実力差の隔…

湯木美術館 茶道具の琳派

タイトル通り、尾形乾山を中心にした茶道具展。ここでは尾形乾山(初代)は、ややこしさを避ける為か「尾形深省」名義での展示。 なんでかは説明無かったな…。入口近くで目を惹くのは「銹絵染付絵替 筒向付」。ガラスコップみたいな細長い形状の向付なのだが、…

藤田美術館 藤田傳三郎の審美眼

今回のテーマは藤田家としての蒐集ではなく、藤田傳三郎の蒐集にテーマを絞ったもの。 …でも、トーシロの僕等には区別できないよね?藤田家側は判ってほしいのか判らんけど。 さて。 茶道具に限らない展示いろいろの今回。 でもやっぱ茶道具が凄い、という印…

田部美術館 木枯し騒ぐ

田部美術館の企画展示は、実に小さな部屋に道具組が一揃い置かれているだけなのだが、大変にセンスがよく楽しめる。大変立派な光悦の和歌散らし書きの懐紙。花入は古楽山焼の立鼓形だが、筋目が刻んであるのが変わっている。茶入は瀬戸落穂手「田面」。土見…

畠山美術館 茶人 畠山即翁の美の世界

藤田登太郎 茶陶展のついで?に行った畠山美術館。伊賀花入 銘“からたち”。 紋付袴で上野駅に迎えに行った、というエピソードが面白い。赤楽茶碗“早船”。 長次郎作でないという説もあるらしいが、そういう目で見ると、作行が違うような気がしないでもない。…

藤田登太郎 茶陶展

畠山美術館の明月軒/翠庵を使って行われる藤田先生の茶陶展。志野の茶碗をいろいろ手に取って拝見させていただける、稀有な機会。今回面白かったのは“若柳”。 薄く鉄で柳の絵が横に描かれていて、柚子肌の様になった釉薬が、まるで降り注ぐ雨の様。“熱田津”…

ディスカバリーミュージアム 和敬清寂 茶席 千利休展

羽田空港第二ターミナルで開催されている無料の展示。平和島骨董市のついでに行ったよ。主にJALを使う私としては、あまり行かない場所なこともあり右往左往。…心底どうでもいいね。 本展示は、永青文庫とのコラボ企画。無料展示なのに目録配ってくれてありが…

永青文庫 禅僧の書画

永青文庫の禅僧の書画特集。…うん、端的過ぎるタイトルですね。 やっぱ仙涯は癒されるわ〜。特に“看経図”。ここんとこ仕事疲れの自分には、絵の前で強制的にリラックスさせられるのがなんとも心地良かった。 あと、白隠の“布袋・蹴鞠・寿老”も良かった。三幅…

東京国立近代美術館 岡本太郎展

岡本太郎展は、テーマが「対決」。 勝手にいろんな物を敵に戦って来た岡本太郎に相応しいテーマだね。んで、その中に「わびさびとの対決」というのがあった。 どんな対決かな?と展示を見ると、何故か岡本太郎が撮影した縄文式土器の写真が羅列されただけだ…

畠山記念館 国宝離洛帖と蝶螺鈿蒔絵手箱

今回は離洛帖が主役。なので他の展示はやや低調。おなじみの乾山色絵藤透鉢や粉引茶碗松平などがお出迎え。 そんな中では高取手鉢がよかったかな。白い藁灰釉の渋い逸品。 展示室の片側には、蒔絵の手箱がずらりと並ぶ。肝心の国宝の蝶螺鈿蒔絵手箱は5/14以…

藤田美術館 季節を愉しむI 秋〜新春の美術

秋〜新春の美術というが、概ね年末から新春の道具組。真形羽付高砂釜とか、雪中梅花小禽図とか青鬼赤鬼の追儺面とか。 大井戸茶碗「蓬莱」は、ナリ良く色良い大井戸だが、梅華皮が高台の外に見えないのが残念。黒漆地三番叟蒔絵茶箱の朝日焼替茶入。 昔から…

湯木美術館 上方豪商の茶道具

今回は豪商に所持された経歴の道具たち、の特集展示。大阪の人は「『黄金の日々』よ、もう一度」的なノリで、上方豪商好きである。多分。 そのせいか客層がいつになく騒がしかった。 入口にでんと鎮座する。対馬井戸と膳所耳付茶入。対馬井戸は、高台の高い…

大西清右衛門美術館 朽ちの美

私は尾垂れ釜が大好きだ。やつれ風炉だって、嫌いじゃない。でも、今回の展示はかなり微妙だった。例えば「七宝浜松地紋甑釜」。蓋も割れ、鎹が打って継いでであるが、良く見ると鎹も鋳造による模様に過ぎない。こういう「寂ばしたる」いや「錆ばしたる」釜…

北村美術館 秋侘ぶ

北村さんの道具は、茶碗よりも懐石道具とか、盆とかがいい感じ、という印象。 今回もそう。 寄付の釉裏紅の汲み出し碗と、時代木地殴の汲み出し盆の組合せが素敵。懐石道具の八寸には堅地屋清兵衛の隅丸硯蓋。八寸の原点に戻りつつも美麗な蒔絵の美しさ。 掛…

出光美術館 仙涯 禅とユーモア

仙涯*1の展示だが、前半は禅。後半はユーモア、という構成。 ちょっとお堅い感じの展示になっている。仙涯なので堅さにも限度あるけど。 いつもなら屏風を置く展示スペースに、ずらりと一行書だけを並べてあった。純粋に一行書だけを評価すると、仙涯のそれ…

永青文庫 永青文庫の茶入

正直に告白する。 永青文庫は茶道具美術館としてはしょぼい/つまらない場所と言う認識だった。 だが、私の認識はくつがえった。今回は実に素晴らしい展示だった。お勧めである。 茶入34点ずらりとならべてあるのも凄い。が、付属品の展示も素晴らしい。仕覆…

三菱一号館美術館 三菱が夢見た美術館

唐物大名物。付藻茄子と松本茄子。歴史に残るこの二つの茶入の展示最終日だったので、慌てて三菱一号館美術館へ参上。 仕覆の展示が無い。 …というのはまぁいいだろう。しかし、小展示BOXに二個まとめて展示、という扱いにびっくり。唐物大名物ですよ?唐物…

京都 天下無双の別荘群

NHK BShiの特集番組。 野村美術館に行く途中、豪華なお屋敷があるのは気付いていた。特に何有荘は目立つもんね。 そういうお屋敷の特集。 最初は細川さんが案内する自分とこの別荘。武家らしくひどく地味。 あとででてくる実業家達の豪勢なお屋敷に比べると…

新宿歴史博物館 酒井忠勝と小浜藩矢来屋敷

かって新宿区に存在した大名酒井家…に関する資料展示。 家光からの書状とかが展示されているが、「此天下ごんげん様の」とかの書き出しで、家光どんだけ家康好きなんだ、とか思える。 それはさておき。 茶道具は二点、展示されている。 ひとつは「師匠坊肩衝…

福岡市美術館 漆芸の極み−蒔絵 + 田中丸コレクション

「漆芸の極み−蒔絵」は割と大名道具系のごってり蒔絵のコレクション。純粋に茶道具なのは2個だけ、かな。 菊文蒔絵螺鈿入四方香合。比較的「よくあるー」って感じの蒔絵の四角い香合。 柳桜文蒔絵棗。全面に蒔絵のかかったゴージャスな棗。 上蓋の蒔絵の銀が…

福岡市美術館 茶人 松永安左エ門

福岡市美術館に寄贈された耳庵のコレクション。 さほど量はないのか毎度毎度似た道具組を工夫で頑張っているって感じ。でもなかなか好感もてる。今回は耳庵の茶会記を中心に、そこ出て来る道具を中心に、耳庵の茶風に迫ろう、という展示である。 柿蔕茶碗「…

福岡市美術館 シアトル美術館所蔵 日本・東洋美術名品展

福岡市美術館で開催されている「茶人 松永安左エ門」。行ってみたら表題の展示会が巡回してたので、せっかくなのでまずはそちらへ。 屏風にお軸、仏像仏具に面、陶芸に漆芸。実にいろんな名品が海の向こうに持って行かれたもんだな、というのが第一の感想。…

泉屋博古館分館 住友コレクションの茶道具

07年の「付属品とともに楽しむ」以来。 前回は仕覆や箱が非常に良かった。んで、今回も仕覆や箱があってくれて大変嬉しい。 唐物文琳茶入 若草。 仕覆、挽家、挽家袋、添袋箱、添軸箱などいろいろ展示されていてうれしい。 でも添軸自体の展示が無かった。こ…

目黒美術館 紅心 小堀宗慶展

区立美術館なのに1000円の入場料だったせいか、UYTREWQ。 なんだかのんびり見れました。さて、実は展示のほとんどはご先代の作品および好み物。名物は展示室一個分だけ。でもこれがすごいんだ。なので、まずはご先代の作品を見ましょう。逆順に見るのはあん…